男女それぞれの着物は、形はソックリだけれど似て非なるものです!
似てるけど同じじゃないの?
男女ともに「袖が四角く大きくて前合わせで帯をする…」と同じっぽい感じだけど、袖や色柄といった構図や構造、着付けの方法や必要なもの、羽織るもの、などなどたくさんの違いがあります。
ある意味、ぜんぜん違う衣類かも?
なので、少しでも着物を着てみたことがある人なら、「女着物の色柄は好きだけど、気付けが大変過ぎる」とか「男だけど女着物の方が自分にあっている気がする」など、人それぞれ色々あると思います。ただ、これまでの着物文化は、「男性は男性らしく」「女性は女性らしく」といった考え以外、認めてもらえなかったんですね。
それがここ最近は男女の垣根は低くなってきているように思います。
洋服などでも、女性の学祭服がパンツスタイルを選べるようになったり、ランドセルの色は赤黒じゃなくカラーバリエーションも多様になったりしてますよね?
そんな中、和服でもジェンダーレスな着物を楽しむ人が増えてきたんです!!
かく言う僕も、男着物に女もののアイテムを取り入れて、着物を楽しんでいます!
そして、着付けが難しくて挫折してしまった女性には、「まずは男着物でもいいんじゃない?」とも思うし、好みの着物が見つけられない男性には、「女着物もオシャレだよ!」と思います。
この記事では、こんなことが分かります!
- ジェンダーレス着物とは?
- 男女の着物の違いって何?
- ジェンダーレス着物をおススメする理由とは?
- ジェンダーレス着物を着てみたいならどうする?
男女の枠を超えて自らを表現する着物!
今の時代、自由に楽しまないともったいない!
ジェンダーレス着物とは?
まず始めに「ジェンダーレス着物」の意味について。
そもそも「ジェンダーレス」ってなんのこと?
どうゆう意味?
「ジェンダー」とは、「性別だったり男女の違い(境い)」を指していて、それがレス(無い)と続きます。
総じて「ジェンダーレス」とは、「男女の差はないし、その枠組みを取り払う」と言うことになります。
そして、もうちょっと深堀りして「ジェンダーフリー」とは、「これまでの性別にとらわれず、個人が自由で平等な行動や選択を出来るようにしよう」ということ。
今、世界的に多様性を「受け入れよう・認め合おう」と言う流れにあり、若い世代を中心に当たり前な考え方として広がってますね!
「ジェンダーレスファッション」とはどんなもの?
さらに「ジェンダーレスファッション」とは、簡単に言うと「性別に関係なく着こなせるファッション」ってことになります。
男性らしさやら、女性らしさやら、それらにとらわれない「自由なファッション」と言えます!
洋服なら、特徴として「中性的」な服で、体のラインが強調されない服とか、男性がスカートとか、女性がメンズライクな男性的アイテムを取り入れるとか、そんな感じですね。
では「ジェンダーレス着物」とは?
それらを踏まえて「ジェンダーレス着物」とは、「男着物とも女着物ともとらわれず、自らの着たい着物を自由な発想で楽しんで着る着物」です!
例えば…、
- 男性が女着物、女性が男着物を着る
- 男着物に女着物で使うアイテムを取り入れる
- 女着物を仕立て直して、対丈(おはしょりなし)で着る などなど…
「男女の枠を取り払って自由に着物を楽しむ」んです。
男女の着物の違いって何?
男女の着物の違いって具体的には何でしょう?
違いは意外と多いよ!
男女の着物の違い?
着物の長さが違う
女着物は身長に対して長く、「おはしより」により長さを調節して着ます。
男着物は「つい丈」と言って身長に準じた長さで、調整は出来ません。
帯の幅と位置が違う
女着物は帯幅が広く、ウエスト位置で帯を結びます。
男着物は帯幅が細く、腰骨の位置(ウエストよりかなり下)で帯を締めます。
袖の形が違う
女着物は脇の下が開いていて(身八つ口)、体温調整のためだったり、帯結びの邪魔にならないように出来ています。
男着物は脇の下は縫い閉じられています。
女着物の着付けはまさに技術!!
女性の着付けと言えば、おはしょり・衣紋抜き・やたら結ぶ、大変です。
(表現があれですいません!詳しくはないのでご容赦下さい)
外からの見た目だけでも…
- 女着物は着物の縦の長さ(着丈)が、身長に対してすごく長いため長さ調整(おはしょり)。
- 首の後ろを抜く(衣紋抜き)
- 帯結びや帯締め などなど
女着物の着付けは、まさに色々な技術が必要!
男着物の着付けは簡単!
反面、男着物の着丈は身長に準じてるので長さ調整不要だし、帯は角帯一本!
いやマジで簡単です!
女着物の着付け経験者なら、「えっ、これだけ?」となります。
着付けの質の違いが大きいので、コツは必要ですが、あとは慣れ!
ジェンダーレス着物をおススメする理由とは?
男女の枠を超えて自らを表現する着物を楽しもう!
男性に女着物をおススメする理由とは?
リサイクル着物少ない問題!?
着物初心者が初めて着物を選ぶ時、ひとつに「リサイクル着物」というものがあります。
いわゆる「古着」ですね!
ただ、男着物のリサイクル着物は圧倒的に少なくて、サイズ選びも難しいんです!
一方、女着物のリサイクル着物は圧倒的に多くて、小物も充実しています。
地味な男着物より柄遊びも出来るし、実は袖の切り込みが深いので、洋服のアウターも取り入れ易いんです。
ただし、女着物の着付け技術は学ばないとですね!
女着物の小物を活用する!
女着物の小物もたくさん余っていて、有効活用するのもいいです。
例えば、帯紐を角帯の上に巻いて、アクセントにするのもアリです。
また、女着物の羽織紐を普通に男着物でも使ってもいいし、マスクホルダーとしても重宝します!
羽織紐の結び方は、「叶(かのう)結び」をひとつ覚えると便利です!
僕が以前に投稿したインスタリールをチェックしてみて下さいね!
女性に男着物をおススメする理由とは?
男着物は普段着着物を楽にしてコーデ幅を広げる!
今の時代、カジュアルなら女性もシンプル着付けの男着物を着てもいいのでは?
まして、普段着着物であれば、時間をかけて着付けるのも時間がもったいないし、楽ですよね!
始めに「女着物に挫折した女性」としたけれど、着付け上級者にもコーデ幅が広がってメリットがあると思います。
とは言え、男性の僕からそう言われてもピンと来ないかも…、ですね!
そんな方にはコチラの動画をチェックしてみて下さいね。
落語家の林家つる子さんの実践動画。
めっちゃ参考になります!
イベント「女性が着る男着物撮影会」
下記でも紹介する「ワタナサ」さん。
その女将、着物スタイリスト「キャンディ」さん発案のイベント!
「女性が着る男着物撮影会」では、多くの女性が男着物をカッコよく着こなしています。
プリーツスカートや今流行りの付け襟など、甘めのコーデを持ってきても、カッコ可愛いと思います!
メンズライクなファッションが流行る今、男装でもコスプレでもない、クールでカッコいい男着物女子へのチャレンジをしてみませんか?
ジェンダーレス着物を試すならどうする?
ジェンダーレス着物は着付け教室やイベントにも広がる、正にジェンダーレスな時代へ!
着物始めワタサナ「ジェンダーレス着物体験」
浅草にて週一金曜日営業されてます。
着物の着付けや着物イベントなどを展開。
過去のイベントでは、先に紹介した「女性が着る男着物撮影会」も開催されたよう。
そして、男性が女性の振袖を着る事もできます!
[住 所] 東京都台東区浅草2-27-17
[営業時間] 12:00~20:00
[営業日 ] 金曜のみ
日本和装「ジェンダーレス教室」
日本和装さんの東京都にある人形町駅上教室のみ、水曜夜間に開講されてます。
- 男着物を女性に向けて(レンタルなし、男着物を自分で準備します)
- 女着物を男性に向けて
大手着付け教室では異例の開講なのではないかな?
[住 所] 東京都中央区日本橋人形町3丁目8−1 TT-2ビルディング 2F
[営業時間] 19:00~21:00
[開講日 ] 水曜夜間のみ
「ジェンダーレス着物とは?」のまとめ
「男性は男性らしく」「女性は女性らしく」と言った既成概念にとらわれない、新しい着物の形「ジェンダーレス着物」について、お話しました!
そして、個々の好みや考えや実用性から、ジェンダーレス着物をオススメする理由についても触れました。
今は多様性を受け入れる考えが広がっています。
ぜひ、自らの心地いい着物の楽しみ方を見つけて欲しいと思います!
男女の枠を超えて自らを表現する着物は、きっとまた新しい着物のあり方ですね!
今の時代、自由に楽しまないともったいないです。
ご覧頂き、ありがとうございました!