ファッションとは、単に身体保護等の機能を持つに留まらず、自らを表現するものですね!
そして、そのファッションの価値観は時代とともに刻々と変化しています。
最近になり、これまでの大量生産・大量消費といった問題を抱えるファッション業界にも、変化の波が!
その波の中心は、これからの時代を担うZ世代(1996〜2012年生まれの世代)です。
彼らの多くは「モノ」から「コト」という価値観を持っています。
今回の記事は、着物文化がZ世代に受け入れられるために業界がどうあるべきか、勝手に考察してみました(笑)。
そして、一着物ユーザーである僕らが出来ることは、「普段着着物を思いっきり楽しむこと」と結論付けてみました!
最後には新時代の普段着着物の楽しみ方の紹介もしていますので、ぜひ読んで行ってくださいね!
この記事には、こんなことが書いてあります!
- これまでのファッション業界を取り巻く問題とは?
- 最近のファッションへの価値観の変化とは?
- 新時代の主役「Z世代」とは?
- 着物をZ世代に受け入れてもらうには?
着物の未来はZ世代とともに!!
これまでのファッション業界を取り巻く問題とは?
今のファッション業界の現状は、ファストファッションとラグジュアリーブランドの二極化しているとされています。
その間のブランドは淘汰されちゃう?
ファッション業界の2極化
低価格なファストファッション
流行を採り入れながらも低価格な衣類を販売するブランドのこと。
短いサイクルで世界的に大量生産することも特徴のひとつ。
そして、安価かつ機能性に優れているため、多くの人に受け入れられてきました。
衣服を大量消費する時代。
高価なラグジュアリーブランド
欧米の高級服や服飾雑貨を製造・販売するブランドのこと。
歴史が深く、圧倒的アイデンティティや独創性で独自の価値を高めてきました。
絶対的品質力で価格を下げることなく差別化を図っています。
もちろん高級路線ですね。
どちらにも属さない中間ブランドの淘汰
そのどちらにも属さない中間ブランドは危機にあるとされて久しい。
コアのファンが多くいたとしても、ファストファッションほどのスケールメリットは得られない現状です。
高級路線ではないし大量生産も出来ない…。
でも安易な価格競争に陥り「値下げ」が常態化し、消耗戦を繰り返す傾向にあります。
低価格な商品・サービスの提供のために人件費削減をし、職人や従業員の士気も下がっていきます。
その取引先は、小ロットかつ人件費が高いことも多く、共倒れていく現実があります。
環境・人権などの問題
ファストファッションは便利な一方で、全てとは言えないものの、
- 価格を抑えるために労働者を安く買い叩いたり
- 大量の在庫を廃棄したり
- 製造〜流通や化学繊維を多用した事による環境負荷 など
負の部分も多く抱えています。
また、ラグジュアリーブランドにおいても、ファストファッションとは別の問題で、価格を下げられないからこそ抱えた在庫を廃棄していたことも、大きなニュースになる事もありました。
そして、着用しなくなった衣服を発展途上国に送ることもありますね。
一見、支援と見えるこの取り組みも、行った先で大量のゴミとなっている現実もあります!
ファッションの価値観は変化!?
そんな中、SGGs(国際社会共通の持続可能な開発目標)の広がりや、消費のあり方の多様化により、価値観が変化してきています!
「もの」から「こと」に変化しているんだね!
SNSなど自己表現の場の拡大
ミニマリストのような生き方や趣味活動によって精神充足を図るなど、消費のあり方が多様化してきています。
そして、それらを各種SNSで個人が発信し、多くの人が共感・共有しています。
環境に配慮した消費そのものが自己表現・実現のための消費になってきています。
消費者とともに作りダイレクトに販売する
デジタル領域でメーカーと消費者が直接繋がり、ともに商品やサービスを生み出しています。
サプライチェーン(商品が消費者に届くまでの、調達・製造・在庫管理・配送・販売・消費といった一連の流れ)が、消費者の評価・口コミを汲み取るような形で双方向になってきています。
また、オーダーされて初めて生産する考えも、注目され初めています。
社会課題に敏感な新たな消費者世代の台頭
環境や人権問題、サステナビリティ対応、大量生産・廃棄問題に対して異を唱えるなど、意識の高い消費者が出てきています。
曖昧にせずしっかりと表明し、真摯に取り組む企業姿勢が支持されています。
「もの」も大切ですが、それらに意味を持たせる「こと」へと、価値観が変化してきています!
そして、その価値観を強く持つ新たな若い消費者世代は「Z世代」と呼ばれ、次の時代を担うと注目されています。
新時代の主役「Z世代」とは何か?
Z世代って?
元々はアメリカから伝わった世代分類を指す言葉で、「ジェネレーションZ」とも言われています。
西暦1996〜2012年生まれ(西暦2022年現在11〜26歳)の情報感度が強い次の時代を担う若い世代!
スマホ環境での情報収集に長ける!
マスメディア離れが顕著!
テレビよりもYouTubeやSNS等の利用時間が多く、他世代と情報収集の仕方が違います。
従来のメディア媒体では「自分自身に興味のない情報が多い」と思っています。
情報過多のスマホ環境で育ったため、不要な情報を取捨選択するスキルに長けている傾向が!
社会問題への関心が高い
Z世代は、社会問題への関心が強い傾向があります。
SDGsなどへの取り組みや、多様性を受け入れる考え方をします。
現実的な暮らしに重きを置いて、合理的!
自らの価値観を大切にする
「自らの価値観に合うかどうか?」といった視点を重視する傾向にあります。
口コミや意識の高いサスティナブルブランド、共感出来るインフルエンサーを信用し、知名度の高さや多数に向けられた情報には影響されません。
SNSでの交流や情報発信の場が身近にあるからではないでしょうか?
「お買い得感」を重視
Z世代は、不況の経済的なプレッシャーを受けている環境下で育っています。
貯蓄を考え、支出を控えようと考えています。
そういった環境の違いが、ものへ求める要素の違いに影響が出るようです。
買い物への意欲は、「お買い得感(コスパ)」を重視する傾向。
着物の未来はZ世代とともに!!
これらを踏まえて、着物好きな僕が、これからの着物業界がどうあるべきか、勝手に考察!!
業界を盛り上げる鍵はZ世代にあると思います!
着物はZ世代にどう向き合うべき?
着物をZ世代に受け入れてもらうには?
Z世代に受け入れてもらうには、着物業界にはどんな問題があるだろう…?
環境・人権問題
Z世代は「環境や人に優しい」。
着物の古着は、今、大量廃棄されている現実があります。
これらをどう再利用すればいいでしょうか?
そして、その製造過程で労働者は適正な収入を得ていない事も多い。
ただ、一方で着物はサスティナブルな衣類です!
- 裁断で無駄が出にくい
- 体重変化に柔軟にリサイズ出来て長く着られる
- シルエットに流行り廃りがない
- 解けば四角い布に戻りリユースし易い
問題にさえ向き合えば…、着物は可能性に満ちています!
多様性を認める
Z世代は「個々の多様性を大切にする」。
でも日本人は、「こうあるべき」が強いです。
よく「着物警察」って言葉も聞きますね。
着物の伝統を大切にしつつも、着崩しや和洋折衷コーデ、ジェンダーレスも受け入れたい!
男着物女子や振り袖男子、着物は自由です。
ジェンダーレスにおいて、そもそも…「女子」「男子」で表現するのも古いかも?
価格と品質
Z世代は「価格だけでなく品質も重要」。
「安かろう悪かろう」では淘汰されます
原材料・製造過程・流通経路・販路…、「着物ってこんなもんでしょ」と安易に考えると、見透かされます!
高価だから品質がいいとは捉えないし、安易に安くするでもない。
これまでの着物業界は全てが不透明!
品質は購入後だけでなく…、手に届くまでのストーリーも超重要です!!
個々に最適化されるのが当たり前
Z世代は「個々に最適化されるのが当たり前」。
個人情報の取り扱いを恐れません!
個人情報を適正に利用し、個々にヒットするものを提供される時代。
まずは着物に興味を持って貰えるような取り組みが必要!
着物の伝統も大切ですが、個の価値観を鑑みず押し付けて、反感を買ったら逆効果。
それでも相互理解出来れば…、むしろ伝統は衰退どころか広がりを見せるのでは!?
所有よりシェア
Z世代は「所有よりシェアを合理的に選ぶ」。
「あれも欲しい」「これも欲しい」と高価なものを所有するより、必要時に適宜レンタルしたりシェアしたりします。
最近では、車なんかそうですよね?
着物で言えば「礼服」です!
滅多に着ないけれど維持管理が大変だし、まして高価であれば買いません。
とは言え普段から着物慣れさえしていれば、金銭的余裕が出来ればいつかは手が出ます!
とどの詰まりは…、普段着着物が未来を作る!!
着物の未来はZ世代とともに!
Z世代も含めて多くの人が普段着着物を楽しむ未来を作りたい!
「着物好きな僕ら」はどうしたらいい?
普段着着物でもっと出掛けよう!
Z世代の多くは「普段着着物」という概念がきっとありません。
まずはその存在を認知してもらわなくては!!
普段着着物を着て、たくさんの人に「イイね!」と思って貰いたい!
「自分も普段着着物をしてみたい!」と感じて欲しい!
…なら、たくさん普段着着物で出掛けて楽しむべし!…ですね!
着物は持っていなくても、既製品の浴衣なら持っている人も多いハズ!
でも、花火大会などのイベントで着る以外は、タンスの肥やしになりがちです。
ならば、イベントじゃなくても引っ張り出しちゃいましょう!
着物の下に着るものや、足袋を履いたり、工夫して着物風の着こなしをすれば、長期間着ることも出来ます!
マイサイズな着物はサスティナブル!?
普段着着物をすでに楽しんでいるけれど、マイサイズ着物はまだ買ったことがないなら、ぜひチャレンジして欲しいです。
反物選びから実際に仕立ててくれる信用できる着物屋さん選び…、何より普段からファストファッションに触れているなら価格も大きなハードルです。
でも実は着物は構造上…、
- 仕立て時に端材が出ない。
- リペア・リユース・リサイクルしやすい。
- 体型が変化しても永く着られる。
そして、オーダーする特性上…、
- 着心地が最高!
- 必要分の生産!
- 職人に適正な収入が入る(可能性が高い)!
これらのメリットはまさに持続可能(サスティナブル)!!
着物にはZ世代に受け入れられる可能性は高いんです!
仮想空間で着物を楽しむ!?
Z世代に認知してもらうなら、デジタル領域の仮想空間(メタバース)で着物を楽しむのもいいかも?
早い時期にメタバースに入ってくる多くは、相対的に若い世代。
Z世代に興味を持ってもらうには、いい環境だと感じます。
メタバースでファッション?
「メタバース」の概念は広義では、仮想現実・拡張現実・ミラーワールド…、かなり複雑…、ここで言う「メタバース」はSNSと組み合わせ、自らの分身(アバター)を通してコミュニケーションする「VRChat(ブイアールチャット)」を指します。
そのアバターのファッションを提供するアパレルブランドが出てきていて、例えば「ナイキ」がスニーカーのデジタルデータを販売して話題になりました。
仮想現実世界でファッションコーデを楽しむ時代が到来!!
メタバースを無料で気軽に始めるなら、アプリ「Cluster(クラスター)」がおススメ!
スマホでサクッとファッショニスタ!!
仮想空間で着物を楽しむカルチャーを起こし、現実の着物を着るきっかけを作る取り組みをする人も出てきました!
下記ツイートは、アバターのファッションMetaverseKimono(メタバース着物)を通じて、現実世界でも着物文化を広げたいと活動するクリエイターの「あのね」さん。
「未来着物NFT」として展開されてます!
Tweets by aNone_Craft「NFT」といえば「NFTアート」が話題になりました。
どうしても暗号資産を使い、高額で投機的なイメージが強いです。
バズワードとして派手に認知されるきっかけとなりましたが、ただ、それは本質ではありません。
プロジェクトを応援する気持ちで、お小遣いの範囲で「NFT」を購入することも可能です。
ぜひチェックしてみてくださいね!
「ファッションの価値観は変化!?」のまとめ
そのファッションの価値観は時代とともに刻々と変化しています。
最近になり、多くの問題を抱えるファッション業界にも価値観の変化の波が来ており、その中心にはZ世代(1996〜2012年生まれの世代)がいます。
彼らの多くは「モノ」から「コト」という価値観を持っています。
今回、着物文化がZ世代に受け入れられるために業界がどうあるべきか、勝手に考察するとともに、一着物ユーザーである僕らが出来ることは…、
普段着着物を思いっきり楽しむこと!!
という結論に至りました。
そして更には、仮想空間(メタバース)で普段着着物っていうのもアリ、としました。
ぜひチャレンジしてみてくださいね!!
最後までご覧頂き、ありがとうございました!