男着物を女性が着るってアリ?男女の着物の違いと楽な着こなしのコツ!

【この記事について】
この記事を書いているのは、普段着着物歴数年の男、前向きです。
女性として男着物を着た体験は、当然ながらありません。どこまで行ってもエアプです。
だからこそ、実際に着ている女性たちのブログ・YouTube動画・着付け教室の記事を徹底的に調査して、情報を集約しました。引用・参考にした情報源はすべて本文中に明記します。
帯まわりの解決策の一部は、自分自身の男着物体験から気づいたアイデアも含まれています。その箇所は「著者のアイデア・未検証」と都度ことわります。
エアプって書くと信用されないかな?と思ったんですが、正直に書いた方が信頼してもらえると思ってこうしました。
この記事でわかること
- 男女着物の違いが数字でわかる(着付け時間・小物数)
- 帯がずり上がる問題の3つの解決策がわかる
- 女性が男着物を選ぶときのサイズの目安がわかる
男着物を楽しむ女性が増えてきた?
最近、男着物に限らず、着物をお洒落に着こなす人たちが増えてきました。街中では正統派の着物のみならず、現代的なコーディネートで着物を楽しむ姿が見られます。
特に各種SNSでは、日常的な普段着やお出かけ着、イベントでの様子などをシェアする人も多くなってきています。これらは、着物文化がより身近なものとして見直されてきている証拠ですね。
今では、ジェンダーレスなファッションへの関心が高まる中で、男着物のシンプルさと実用性が女性の中で人気になりつつあります。直線的なシルエットは性別を問わず美しく見せることができ、余計な装飾が少ないので個性も際立たせやすい点が魅力です。
そして何より、男着物は女着物に比べて、圧倒的に着付けが簡単なんです。
男着物は慣れれば数分で着られ、普段着としてちょっとしたお出かけに気軽に取り入れられます。洋服や洋小物をあわせて和洋折衷コーデを楽しむなら、着物アイテムを一式買うような出費も不要です。着物と帯と腰紐くらいあれば十分です。
また、リサイクル着物(古着)であれば、手軽な価格で始められることも魅力の一つ。古い着物に新しい命を吹き込むアレンジをすれば、独自のスタイルも楽しめます。
着付けが楽すぎて、もう女着物には戻れないかもって思ってる笑
男女の着物に違いはあるの?
では、「そもそも男女の着物に違いはあるの?」と思うかもしれないので、ちょっと解説します。着物は一見シンプルに見えますが、男女では結構違います。
まず、数字で比較するとその差がよくわかります。
着付け時間は、女着物が45〜70分かかるのに対して、男着物は15分程度。必要な小物の数は、女性が14種類、男性は6種類(参考:浅草着物レンタル花乃和服/京都着物レンタル京越)。
45〜70分って……そんなにかかってたのか!?
だから男着物の15分って、女性の着物経験者からすれば革命的なんですよね。
代表的な男女の着物の違いを紹介します。
身丈の違い
女着物は着付けの際におはしょり(余った部分を折り返す)を作るため、実際よりも長く仕立てられています。男着物は着付けでおはしょりを作らないので、基本的に身丈=着丈となります。
この「おはしょりなし」の着方を「対丈(ついたけ)」といいます。実は江戸時代前期までは、これが標準的な着方でした。おはしょりのある今の着方の方が、歴史的には後から生まれた文化です(参考:対丈のススメ)。
袖の違い
女着物は大きな帯を胸の下で締めるため、袖の脇には裂け目(身八つ口)があります。男着物の袖の振りは短く、実用的で動きやすく、袖の脇部分は閉じられています。
衿元の違い
女着物は着付けで衣紋を抜き、うなじを見せるのが一般的です。男着物の衿は棒衿のみで首元にしっかり沿うシャープなデザイン。衣紋は抜きません。
帯の違い
女着物は名古屋帯や袋帯といった幅広の帯を胸の下あたりで結び、多種多様なアイテムで華やかな帯結びを楽しめます。男着物は角帯を腰骨の位置で締めるシンプルなスタイル。結び方もシンプルです。
柄や色の違い
女着物は季節の花や伝統文様など華やかな柄が多くカラフルです。男着物は無地や細かな柄が多く、落ち着いた色合いが多いです。シンプルな色合いは、和洋折衷コーデととても相性がいいです。
着付けの違い
女着物は、おはしょりや衣紋抜き、帯結びなどに小物や手順が多く、着付けに時間がかかります。男着物はシンプルで着付けは簡単。コツさえ掴めば短時間でサッと着られます。
男着物を女性が着るってアリ?その魅力とは?
着付けが簡単!
男着物は、着物に角帯(必要に応じて腰紐)のシンプルな構造なので、初心者でも簡単に着付けができます。YouTube動画で自主練でも、全然いけます!
女着物のようにおはしょりも要らず、角帯を締めるだけなので短時間で仕上がります。始めのうちは角帯の締め方や帯位置に苦戦するかもしれないですが、そこだけ動画などで確認すれば十分です。
YouTube見ながら練習したら、1週間で一人でサッと着られるようになったよ!
シンプルだからこそ女性の小物が映える!
男着物は色柄も落ち着いていてシンプル。だからこそ、小物使いで個性を出すことができ、コーディネートの幅が広がります。女性的な印象の小物を持ってくれば、ボーイッシュだったりガーリーだったり、ときにフェミニンなスタイルに激変します。レースや髪飾り、アクセサリーも素敵なアクセントになります。
親族や彼氏の着物の再利用
自宅でタンスの肥やしになりがちな、お父さんやお祖父ちゃんの着物を再利用するのも面白い!彼氏さんの浴衣を持ち出して「彼借りコーデ」も楽しいですね。
ジェンダーレスな着こなし
性別に囚われないスタイルは自己表現する上で自由です。男着物を可愛く着ても、カッコよく着ても、いいんです。
女性向けの男着物の着こなしのコツ!注意点も!
身丈はジャストサイズで選ぶ
男着物にはおはしょりをしないので、着物選びで重要なのが身丈です。帯を締めたときに足首が隠れるか隠れない程度のジャストサイズが目安。足の甲に乗っかるようでは長すぎです。
女性が男性用の着物を選ぶときは「身長 − 25〜30cm」が身丈の目安になります。身長160cmなら身丈130〜135cm前後を目安にしてください。おはしょりで調整できないので、ここだけは購入前に必ず確認が必要です。
短めなら下の衣類を見せるレイヤードスタイルやロングブーツで対応できます。身丈が長めなら、着物を尻っぱしょり(帯の後ろやサイドで着物の裾を持ち上げ挟む)で引き上げて下の衣類を見せるのも楽しいです。
最初サイズ間違えて少し長めのを買っちゃったけど、尻っぱしょりしたら逆に気に入ってる笑
身幅には補正で対応
身幅が大きすぎると着物がもたつきます。着物の脇の線が自分の脇の前後5cm程度に収まるものを選ぶのが理想。モタつく場合はタオルを巻く補正で対応します。寒い時期なら厚手のパーカーを着物の下にインしてしまうのも手です。
帯位置の3つの解決策
男着物は腰骨の位置でキツく角帯を締めます。女性はウエストとヒップの差があるので、帯がウエストにずり上がりやすい問題が起きます。これには3つの解決策があります。
ルートA:逆補正で腰骨位置に締める
タオルをウエストに巻いてくびれを埋め、腰骨位置で締めます。着付け教室を運営する方のブログによると、角帯を女性が締めると「身体に包帯をぴたっと巻きつけてるような感覚でフィット」して「胴回りがラクだった」という声があります(参考:角帯女子のススメ)。
ルートB:帯位置をウエストへ上げる(著者のアイデア・未検証)
これは僕自身の男着物体験から気づいたアイデアで、女性の体では未検証ですが理論的には有効だと考えています。尻っぱしょりをするとき、帯をウエスト位置に締めるとシルエットが整うことに気づきました(参考:著者Instagram)。帯がずり上がるなら、最初からウエストで締めてしまう発想です。ただし、ウエストをキツく締めると苦しくなります。そこで登場するのがルートCです。
ルートC:紐付き・ベルト式の角帯を使う
通常の角帯はしっかり締めて結ぶ必要がありますが、紐付き角帯は両端の紐を蝶々結びするだけ(参考:藤木屋)、ワンタッチ角帯はマジックテープで巻くだけ、ベルト角帯はバックルで締め加減を自由に調整できます。ウエストで締めても苦しくなりにくいので、ルートBと組み合わせるとよいです。帯位置をウエストに上げる場合は全体のバランスに注意が必要ですが、着物の裾から下の服を見せるスタイルにすると整いやすいです。
便利アイテムも揃えておくと安心
衿合わせ止め(S字型ピン)は、上前と下前の縫い目の間に通すだけで衿がはだけにくくなります。商品のパッケージに「身動きの激しい女性の方にも便利」と明記されています(あ○姿株式会社製)。
男着物アイテムなのに、舞台演者の女性にも使われているんだ!と思いました。
和装ブラは、胸をフラットに近づけることで男着物のシルエットが崩れにくくなります。
胸元がはだける前提で下に着る
男着物は角帯で固定するだけのシンプル構造なので、基本的に胸元はゆるんできます。下には必ず一枚多く着ましょう。和洋折衷コーデなら、シャツでもモックネックでも、コーデとして楽しめます。
タートルネック一枚インしたら、逆におしゃれなコーデになったよ!
洋物の服と小物を活用する
手持ちの洋物の服と小物を活用すれば、和洋折衷コーデになります。パーカー・シャツ・ブーツ・スニーカー・キャップ・ハット・プリーツスカートなど、選び方次第でコーデは無限大。小物使いのテイストで女性的にも男性的にも振り幅が取れます。
普段の洋服に羽織だけプラス
新しいことへのチャレンジに勇気がいるときは、男着物の羽織だけを洋服に取り入れるのもおすすめです。カーディガン感覚で羽織ることで、着物へのハードルを下げられます。
動画で確認したい方へ
僕は男なので、女性として着た映像をお見せできません。でも、実際に着ている女性のYouTube動画がありますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 女性は男性着物を着たらダメ? 男性キモノの特徴と着付けのポイント
- 男性にも女性にも挑戦してほしい!男着物の粋な着方、便利なアイテム紹介します!
- 【普段着物】女着物をメンズ風に着てみたら、なんだか新たな扉が開いちゃったんだな
結局、女性が男着物を着るのってアリなのか?
全然アリだよー。むしろ普段着にしたいなら男着物の方が楽なくらい。ぜひ一枚試してみてね!
まとめ
というわけで今回は、男女の着物の違いから女性が男着物を着こなすコツまでお話ししました!
男着物は女着物に比べて着付けが圧倒的に楽で(着付け時間:女性45〜70分→男性15分程度)、普段着として気軽に取り入れられます。
帯問題には3つの解決策があります。逆補正で腰骨位置に締めるか、最初からウエスト位置に上げるか(紐付き・ベルト式の角帯を使えば苦しくない)、自分に合ったやり方を選んでください。
サイズは「身長 − 25〜30cm=身丈の目安」を覚えておきましょう。おはしょりで調整できないので、購入前の確認が必要です。
ぜひ男着物を入口に、普段着着物を楽しんでくださいね!









