「男着物に興味があるけど、サイズ選びが難しそう…」「せっかく着物店に入ってみたけど、どこに気を付けて選べばいい…?」

そんな悩みを持つ男着物初心者さんはきっと多いと思います。選び慣れた洋服と違って、男着物のサイズ選びは「どこを基準にすればいいのか?」と戸惑うことばかりですね。

僕自身の初めての着物は、僕よりも少し背の低いお義父さんの形見の着物…、やや丈が短めの着物でした。そこからリサイクル着物店(いわゆる古着屋)に行ってみたり、マイサイズの着物を仕立てたりもしたけれど、サイズ選びではいろいろ失敗しました(苦笑)!

僕の着物歴のスタートは「サイズが合ってない着物」から(笑)。でもそこから試行錯誤してきたからこそ、初心者さんがつまずきやすいポイントは身をもって知っています。

この記事でわかること

  • 男着物サイズの3大ポイント(着丈・裄丈・身幅)の見方
  • 細身・恰幅・背高など体型別のサイズ選びのコツ
  • 既製・リサイクル・仕立ての違いと、初心者が失敗しない極意

きっと誰でも最初は必ず失敗はします…。でも、この記事を読めば、その失敗確率を下げられるかもしれません!快適な着物生活を安心してスタート切れるよう、何だかんだとお話するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

男着物は女着物とは違う?

着物といえば、女着物のイメージが強いかも?「着付け教室に通って学んでて、何だか難しそう…」と、そんなイメージ。おはしょり(丈調整)があったり、衿を抜いたり(うなじが見える開き)、実際に着付けには時間もかかります。

ただ、男着物とは根本的に着物の構造が違うので、当然に着付けも違えばサイズ選びのポイントも違います。まずは、男着物と女着物との違いを簡単に押さえときましょう。

対丈(ついたけ)で作られている!

男着物は、首の付け根〜足のくるぶしの長さである「対丈(ついたけ)」で作られています。女着物のように、身長とほぼ同じくらいの長さの着物を、「おはしょり」によって丈調整して着る必要がないのが特徴です。

着付けが簡単!

また、女着物は「衣紋」を抜きます。うなじが見える女性的なラインは綺麗だけれど、おはしょりとともに、シッカリと帯や衣紋抜きによってそれを固定しなくてはならないので、帯周りが複雑な着付けになります。

一方で、男着物はおはしょりも無いし、衿は抜かずに首に添わせます。着物を羽織って角帯を締めるだけなので、とても着付けがシンプルで簡単!

サイズ選びがシビア!

その分、男着物はサイズ選びがシビアです。女着物なら、丈調整だけでなく身幅(腰回りの幅)すらもある程度許容するけれど、男着物はそうはいきません!

男着物は対丈なので裾丈のサイズの差異が目立ちやすいし、身幅が合わないとハダけやすかったりダブついたりと、見た目や着心地が悪くなります

おはしょりがないから着るのは楽なんだけどね…。

そうなんですよねー。おはしょりで誤魔化せない分、サイズ選びがシビア。裏を返せば、サイズさえ合えば楽に着られます。

男着物のサイズの3つの要素!

そんな男着物のサイズ選びで、特に重要なポイントは以下の3つの要素です。

着丈(きたけ)と身丈(みたけ)の長さは同じ

ひとつに「着丈(きたけ)」があります。これは「着物を着た後の縦の丈(首の付け根〜足のくるぶしの長さ)」のこと。似た言葉に「身丈(みたけ)」があり、これは「着る前の着物そのものの縦の丈」であって、着丈と厳密には違います。女着物では区別されるけれど、男着物では「着丈=身丈」と考えて大丈夫。

先に話した通り、男着物は「対丈」なので、着丈が短すぎると足のスネが見えてしまいダサくなるし、長すぎると足の甲に裾が乗ってしまったり引きずってしまいます

具体的には、着物を実際に羽織って角帯(腰紐でもOK)を締めてみたら、少しトコトコ歩きまわってみてください。動いたあとで鏡をチェックし「足首見えるかなー?」あたりです(笑)。

「いちいち角帯を締めるのは大変!」と思うなら、(体型にもよるけれど…)羽織って裾下が床に付くか付かないかの丈感でアタリを付けるのもアリ。もちろん、アタリを付けたらせめて腰紐を締めて確認します。

試着して実際に歩いてみるのが大事だよ。遠慮せず歩こう(笑)!

着物は動いてこそサイズが分かります。棒立ちで確認して「大丈夫そう」→実際に着て見ると「何か違う」、というのがよくある失敗パターンです。

裄丈(ゆきたけ)

つぎに、首の付け根(背中の真ん中)から袖口までの丈である「裄丈(ゆきたけ)」。厳密に言うと「腕を下に45°で伸ばした状態で、首の付け根から肩山を通って、袖口までの長さ」となるけれど、これは覚えなくても大丈夫。

この裄丈は、基本的には手首のくるぶしまでだけれど、個人的には「好みの問題だなぁ」と思っています。フォーマルの場なら気にしても、普段着着物なら袖の長さなんて自由です。

何なら短めの方が、作業や活動がしやすいし、突起物に引っ掛けにくいし(着物あるある)、汚しにくいです。袖に手を添える所作がクセ付くまでは、例えば食事の席でまあ袖を汚すんですねー、これが(苦笑)!

身幅(みはば)

さいごに、意外な盲点となりがちな「身幅(みはば)」があり、これは着物を体に巻いた時の胴回りの幅になります。男着物を選ぶときには、どうしても着丈にばかり目が行きがちだけど、身幅を考慮していないと、着心地の悪さに直結します!

大き過ぎればダボ付くし、小さ過ぎると前合わせ(前面で着物の左右が重ねること)が足らなくてハダけやすくなり、さらには足さばきにも影響します。これでは、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)がだだ下がり…。

具体的には、着物の脇の縫い線が、脇の前後5cmくらいに収まっていればOKで、もっと言うと着物を羽織って角帯を締めて、着物のシワを左右の脇に寄せたときに、ワンタックを作れるくらいが適正値。

初心者さんは着丈ばかり気にしがち…。

そう、これが一番見落とされがちなポイントです。着丈がぴったりでも身幅がブカブカだと、着崩れしやすくなって「なんか着物って疲れる…」となっちゃう。

<体型別>男着物のサイズ選びのポイント!

では、体型別に男着物のサイズ選びのポイントを、もっと深堀りしていきます。一般に標準体型の人には問題がなくても、体型によっては悩みがでることがあります。

細身の人

何と言っても細身の人は、「身幅」です。これは見た目にも大きく影響してしまい、着物をカッコよく着こなすことができなくなります!人によってはタオルなどで胴回りを補正する人がいるくらい、着物の身幅が大きい(広い)と着崩れしやすくなるので、出来ればジャストサイズにしたいところです。

…が、世に出回っている着物の多くは、身幅がとても大きく感じるハズです。特に、既製品の浴衣なんて顕著で、「大は小を兼ねる」と言わんばかりに大きめです。まして、サイズ表記が「S、M、L、LL」だけとか、「着丈〇〇cm」しか書いていないんです。

この点、僕は着物業界に対して声を大にして言いたい、「ヒップサイズでいいから表記して!」と。

これ、ほんとに業界の人に届いてほしい(笑)。洋服ならウエスト・ヒップ表記が当たり前なのに、なぜ着物だとSMLだけになるのか…。

恰幅(かっぷく)の良い人

一方で、(僕もそうですが)ちょっとポッチャリさんには、比較的に身幅が合いやすい着物が多いかなと思います。ただ、もっと体格的に恰幅(かっぷく)の良い人にとって、身幅が短い(狭い)とハダけやすくて動きにくくなってしまいます。

どちらかと言えば、身幅に余裕があったほうが着心地は良いかもしれません。ただ、そこまで大きいサイズの着物はあまり見かけないです。

僕の意見として、実は「恰幅の良い人のほうが、着物が似合う衣服」だと思っています。そもそも男着物は、恰幅が良いほうが帯位置が安定してサマになります(お腹が出てるので、帯位置が上がってこない)。スタイルがいい方がサマになる洋服と違い、着物は少しくらいお腹周りがあるほうが素敵な着姿になります。

お腹が出てる方が似合うって、俺のことだね(苦笑)。

笑。帯をぐるっと巻いたとき、お腹があるほうが帯が「乗る場所」ができて安定する。これが着物の懐の深さだと思ってます。

背の高い人

そして、背の高い人を悩ませるのは、着丈の合う着物が少ないこと。今でこそ、幅広の反物(着物の生地)が出回るようになったものの、未だに反物の規格は背の低い人向けが殆どです(そもそも大きい反物を織れる機織り機がない背景もあり)。

稀に見つけた着物は色柄が好みでなかったりしてしまうと、残念な気持ちになってしまいますね…。

ただ、最近になって工夫をして大きいサイズの生産をする業者さんや、洋服生地を使って着物を作る業者さんなども増えてきているので、どうか諦めないでほしいと思います。

いずれの体型の人も、マイサイズ着物のお仕立てにチャレンジすることをおススメします。後述するので、チェックしてくださいね!

男着物を既製着物やリサイクル着物で選ぶなら?

とは言え、男着物初心者さんに「マイサイズの着物を!」といっても、流石にハードルが高いと思います。過去の僕もそうでした。では、まずは仕立て上がっている着物で選ぶなら、どうしたらいいでしょうか?

サイズ選びに限らず、全体感のポイントをまとめてみました!

既製着物のメリットと注意点!

メリット:

  • 手軽に購入できる!
  • 比較的リーズナブル!
  • 基本ミシン縫いなので丈夫!

注意点:

  • 身幅のサイズ感が大きめのものが多い!
  • 着物に詳しくない業者が(粗悪品を)生産していることがある!
  • 衿や生地にコシがない場合も多く、着心地が悪い!

リサイクル着物のメリットと注意点!

メリット:

  • とにかく安価なものが多い!
  • 掘り出し物が見つかることも多い!
  • 身幅が大き過ぎることは少なく、昔の人に近い体格の人には宝の山!

注意点:

  • サイズが体系化されていない(しにくい)!
  • 生地の痛みや劣化、臭いに注意!
  • 昔縫った糸が弱っていることがあり!

サイズ選びの難しさアリ!

というワケで、ちゃんと採寸したマイサイズ着物でない以上、何かしらの妥協点を探る必要があります。「好みで選べば〜」「優先順位を付けて〜」「許せる我慢ポイントは〜」と簡単に言われたとしても、初めての着物選びで「そんなコト分かれば世話ないよー!」って思うハズです。

それは、たくさんの着物たちと出会う中で、きっと見えてくるもの。ココにサイズ選びの難しさ、ひいては着物選びの難しさアリ、要するに「経験値を積むのが一番」ということですねー。

その中でも特に困るのは、袋に入ったままの既製着物!試着できないのは、かなりのネックです。この点は、ネット通販でも同じですね。ただ、最近はネットの方がサイズ表記の項目が多いショップも見かけるので、お求めやすくなってきているようにも思います。

リサイクル着物選びに慣れてきたら、デニム着物もおすすめです。洗濯機で洗えて、現代的なコーデにも合わせやすいので、普段着着物の入門としてぴったりです。↓チェック!

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リサイクル着物ってハードル低いんだよ。失敗しても痛くない金額で試せるのが安心。

そうそう。1000円の着物で失敗しても「まあいいか」で済む。それが積み重なって、自分のサイズ感がつかめてくる。そこからが本番です。

男着物をマイサイズに仕立てるなら?

そんな男着物を、自分にピッタリの着心地の良い普段着にしたいなら、やっぱりマイサイズでお仕立てしてもらうのが最高だと思います。お仕立て(「お誂え」とも言う)するなら、どんな良さがあるんでしょう?

仕立てのメリット!

  • 自分の体型にピッタリ!
  • 着心地や着付けのしやすさ抜群!
  • 体型の多少の増減は許容し長く着られる!
  • 好みの色柄の反物や生地を選べる!
  • 裏地の有り無しや裂けやすい部分の補強も出来る!

仕立てのデメリット!

  • オーダーメイドなので価格は高め!
  • 仕立て上がりに2〜3ヶ月かかる!

着心地は最高!

マイサイズの着物は、とにかく着心地が最高です!着物をまず羽織ってみれば、すぐ違いに気付くハズです。何故なら、自然と体に巻き付くような、吸い付くような感覚になるからです。

通常は角帯を締める前段階で、着物を固定するための腰紐を縛るけれど、腰紐がなくても問題がないほど着物が安定します。もし、着付けの際に腰紐を使用したとしても、角帯を締めた後には外してもOKなほど。

体を締めているものを一つ外せるのは、だいぶストレスフリー!活動しているうちに、腰紐の端っこが角帯の脇からテヘペロする(着物あるある)ことも無くなります。

腰紐なしでも着物が体に吸い付くように安定するんだ。

体験すると感動しますよねー。「あ、着物ってこんなに楽なんだ」って。サイズが合うってこういうことか、と初めて実感できます。

マイサイズに仕立てるとき、反物の選び方も重要なポイントです。素材や長さの選び方を事前に知っておくと、お店でスムーズに相談できますよ。↓チェック!

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初心者でも失敗しない極意とは?

では最後に、仕立て上がった着物を選ぶにせよ、マイサイズを仕立てるにせよ、初心者さんが男着物のサイズ選びで失敗しないための極意を見ていきましょう!

失敗から学ぶ!

まず、失敗しまくりましょう!「なんじゃそら!」と言われそうですねー。でも、それが一番です。洋服でも買ってみて「何か違う」ってことありますよね。慣れない着物ならなおさらです。

とにかく、変に営業されることのない、リサイクル着物店に通いましょう。営業ゴリゴリな呉服店と違い、良くも悪くも構ってこないのでたくさん試せます。

最初は買わなくたっていいので、いろいろ着物を羽織って試す中で、自分に似合う色柄やサイズも徐々に見えてきたりします。この時、洋服では決して選ばないような色柄を選ぶと、新しい自分に出会えるかもしれません。その中で、購入したいと思える着物も出てくるハズです。

幸い着物は安い古着が揃っています。リサイクル着物なら、1000円からでも手に入ります。いろいろ失敗はあっても、コレならかすり傷。実際に着てみて気付くこともたくさんあります。そうしているうちに、自分の好みやコーディネートの幅も広がります。

優先順位を付けて選ぶ!

その上で、これまでお話した通り、男着物のサイズ選びはシビアです。仕立て上がっている着物の中から選ぶのであれば、何かしらを妥協することになります。例えば僕であれば、着丈→身幅→裄丈という順番で優先順位を付けます

裄丈は多少短くても、「活動しやすいからいいや」と思える反面、着丈は短いと「ダサいから嫌だな」と思っています。身幅はケースバイケースだなと感じているので、腰紐で縛って確認します。

人によっては、

  • 「着丈は長くても自分で裾の下の方を縫っちゃえばいい」とか、
  • 短くても「コーデの工夫次第でなんとかなる」とか、
  • 「羽織の裄丈はちゃんと手首まで隠れるほうが好み」とか、
  • どちらかと言うと「身幅のほうが着心地に影響するから大事」とか、

…いろいろあるかもしれないですね!

採寸は「サンプルを羽織って微調整」が正解!

もし、マイサイズに男着物を仕立てるなら、着物店選びに注意しましょう。間違っても、巻き尺だけで採寸するお店は避けたほうが無難です。

特に着丈は、測った数字が同じでも、裾の下端の位置が人によって変わってしまうことが多いです。その理由は、身体の凹凸(特にお尻)には個人差があるためです。僕もヒップが大きい方なので、布の長さが持っていかれてしまい差異が生じます。

実際に、仕立て上がった着物の裾の下端が、好みの位置でなかったことがあります。だから、採寸は「サンプルの着物を羽織って微調整する」が正解

昔からある着物店であれば、「プロの着物スタッフが、そんなミスをしないでしょ?」と思うかもしれないけれど、嘘みたいな本当にある話です。何故なら、世の着物ユーザーは圧倒的に女性であり、男性は希少種(笑)。

一般的な着物スタッフは男性客に慣れていないし、そもそも巻き尺採寸が当たり前なんです。それは、女着物はおはしょりで丈調整できてしまうので、巻き尺採寸で何の問題もないからなんでしょうねー。

男着物に慣れた店に行くべし!

なので、男着物のお店選びは、「男着物に慣れた店に行くべし!」です。それも、職業着物ユーザーではなく、好きで着物を普段から着ているスタッフのいるお店ならなお良し。

何なら、男着物の普段着使いのコツやら、コーディネートのポイントなども聞けたりします。仕事そっちのけで(良いか悪いかは置いておいて)着物談義もできちゃうかもしれません!

「普段着着物好きなスタッフのいるお店」って、どうやって見つけてる?

SNSで着物を普段着している人を探して、どこで買ったか聞いてみるのが一番早いです。着物好きな人はだいたい話しかけると嬉しそうに答えてくれます(笑)。

好みの着物がゲットできたら、次は着付けの練習です。男着物の着付けは思ったより簡単なので、ぜひ読んでみてください。↓チェック!

男着物初心者が着付けを習いたい!「必要なし?」ビビりなので無理!着物初心者が「男着物初心者が着付けを習いたい!」と思うのは自然!「男着物は簡単だから必要なし!」といわれてもビビりなので無理なんです!...

まとめ

今回の記事では、男着物のサイズ選びのポイントについてお話してきました。

男着物のサイズ選びで特に押さえてほしいのは、着丈・裄丈・身幅の3つ。中でも初心者さんが見落としがちなのが身幅です。

完璧なサイズを最初から求めなくて大丈夫。まずはリサイクル着物店でいろいろ羽織って、自分のサイズ感をつかんでいきましょう。いろいろ触ってみるなかで、きっと経験値がたまっていきますよ。

そういった経験を積んだあとにマイサイズ着物のお仕立てに挑戦すると、着心地の違いにきっと驚くハズです。

ぜひ、男着物の普段着ライフをスタートさせてみてください!最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

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